ほのぼの俳句

2006   2005
 

梅雨寒や 愛犬の尾の ほかほかと

台風一過 隣も雨戸 開ける音

犬連れは 犬連れどうし つゆ晴れ間

長雨や 二十歳のころの 写真見る

家事終えて ひと時の幸 新茶飲む

アスファルト すれすれに飛ぶ 親ツバメ

レモン切り 隣の部屋まで 匂いけり

午後からは 本降りの雨 ねぎぼうず

ベランダの 子猫すっかり 夏の顔

ゆらゆらと こでまり揺れる 風の道

寿司つまむ 夫と二人 子供の日

二輪草 千年杉を 仰ぎ見る

人おそう 気配も見せて 街カラス

捨てがたき 古着の山よ 衣替え

あいにくの 雨となりたる シャガの花

宿ゆかた 着替えてよりの 旅心

堅き土 根にまつわりて 冬の草

一輪の 重き椿や 春の雨

昼永き 椿の枝に カタツムリ

大干潟 海の中から 島景色

桜より 人ぞ湧き出る 高遠山

二羽の蝶 追うて追われて 我も追う

おしゃべりで みるみるレース 編み上げる

手に取れば ズシリと重き 草の餅

山歩き 岩の隙間に すみれ咲く




2004  2003

 ある日ふと 梅の香りし 庭となり

どこまでも 空かぶさりて 冬木立

それぞれに 趣味異なりて 夜長かな

冬晴れの 鉢にさし水 溢れさせ

朝寒や 言葉少なき 登校児

朝焼けの 雲屋根やねに こぼれ落ち

建て替える 目途なき我が家の 寒椿

 亡き母に 百一歳ねと 一周忌

道の駅 八畳ほどの たたみ敷き

冬最中 鉢それぞれの 置き所

葉牡丹に 光集まる 冬日かな

聞き役も 居て炬燵の 暖かさ

柚子ひとつ 手のひらの上 冬至かな

陽のにおい 頬寄せてみる 干し布団

古日記 娘の嫁ぎし日 文字あふれ

山茶花や 庭の雀が 顔をだし

愛犬の 小さき足も 落ち葉踏む

大根煮 ほどよき匂い 日暮れ時

ゆずられて 嬉し悲しや 優先席



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