睡眠について    (2006.9.10) 



現在勤務している薬局では、近くにあるメンタルクリニックからの処方箋をたくさん受け付けています。

現代のストレス社会を反映してか、精神神経系のお薬を使われる患者様はどんどん増えてきているようで、
毎日何人も新患さんが来局されます。

精神神経系のお薬には催眠鎮静薬抗うつ薬抗不安薬などいくつかの分類があるのですが、

今回は特に、睡眠に関わるお薬を取り上げてみます。

あわせて、睡眠についての概説及びOTC薬や健康食品のまとめも行なってみました。



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まず、睡眠そのものについてですが、睡眠の目的は皆さん実体験でおわかりの通り、体や脳を休息させることです。それは間違いないのですが、調べてみると睡眠にはまだまだ解明されていない部分が多くあり、研究者の間で意見の分かれていることもあるようです。
  そう言えば筆者が高校2年の学校祭の時、クラスで睡眠についての展示をした(その名も「ぐっすりーぴんぐ」())のですが、その準備の際、睡眠に関する本を読んでも、いまいち定説が得られていない事柄が多かったような記憶があります。(例えば「レム睡眠(後述)」中に夢を見るのは記憶の整理・固定のためであるのか?とか。。) あれからもう15年以上経っていますが、未だ未解明のことも多い模様。そういう研究って、本当に大変なのですね〜。研究者の方々、お疲れ様です。 

さて、聞いたことのある方も多いかとは思いますが、睡眠は大きく分類すると、「レム睡眠」「ノンレム睡眠」に分けられます。睡眠は、その繰り返しです。
 
レム睡眠のレム(REM)とは、睡眠時、閉じたまぶたの下で眼球が急速に動くこと 〜Rapid Eye Movement〜 の略です。その名の通り、レム睡眠中は速い眼球運動が起こり、脳は活動していますが、筋肉は弛緩しています。つまりこれは体を休める睡眠です。レム睡眠は明け方になるにつれて多くなって、ゆるやかな覚醒となります。夢を見ているのはたいていこの時です。
 
ノンレム睡眠は反対に脳の活動が低下している深い眠りです。脳を休める睡眠とも言えます。筋肉は活動できる状態です。成長ホルモンが分泌され、体の再生が行われます。
 
レム睡眠とノンレム睡眠は、人が夜布団に入り、朝目覚めるまでに90分〜100分(個人差によって70分〜110分)のサイクルで、交互に、かつ規則的に繰り返すことが分かっています。このサイクルを中断されるとリズムが狂い、目覚めが不快になります。自然な目覚めは浅い眠りのレム睡眠の終わる頃訪れるのですが、逆に深い眠りのノンレム睡眠中に強制的に起こされると目覚めは最悪です。このことから、睡眠時間を決める時は、90分の倍数を基準にすると良いと言われています。

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次に「不眠」についてです。厚生労働省の調査では国民の実に5人に1人が不眠の悩みを抱えているそうです。

「不眠」は大まかに、以下の4タイプに分けられます。

. 入眠障害 「布団に入ってもなかなか眠れない」という寝つきの悪いタイプ。
                              ・・・これを訴える方が一番多いようです。

. 中途覚醒 「寝ている途中に何度も目が覚めてしまう」という眠りが中断されるタイプ。

. 早朝覚醒 「朝早く目が覚めてしまって、寝直せない」という十分眠れないタイプ。

                 ・・・年齢と共にこの傾向は強くなります。筆者の母親もこれを訴え始めています。。。

. 熟眠障害 「十分に寝たはずなのに眠った気がしない」という眠りの浅いタイプ。よく夢を見ます。

 

筆者は、いつでもどこでもすぐに眠れるタイプ(通勤の地下鉄の中のちょっとした時間でも寝ちゃいます。眠りに入る速さはおそらく
「のび太君」といい勝負デス。。)なので、こうした不眠とは無縁ですが、知人の中にはうまく眠れないという人、確かにいます。

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それではいよいよ、こうした「不眠」の悩みを解消してくれるお薬について見ていきましょう。

筆者の勤務する薬局でよく調剤するお薬(医療用医薬品)について、まとめてみました。


作用時間 薬品名(成分) 薬品名(商品) Tmax(時間) T1/2(時間)
超短期作用型 6時間以内 トリアゾラム ハルシオン 1.2 2.9
酒石酸ゾルピデム マイスリー 0.7〜0.9(2.5〜10mg) 1.78〜2.30
ゾピクロン アモバン 0.8 3.9
短期作用型 12時間以内 ブロチゾラム レンドルミン・グッドミン 1.5 7
塩酸リルマザホン リスミー 3 10.5
ロルメタゼパム エバミール・ロラメット 1〜2(1mg) 10
エチゾラム デパス 3(2mg) 6
中期作用型 24時間以内 フルニトラゼパム サイレース・ロヒプノール 1〜2(2mg) 7
エスタゾラム ユーロジン 5(4mg) 24
ニトラゼパム ベンザリン 2(10mg) 25.1
クロルプロマジン ベゲタミンA
ベゲタミンB
プロメタジン
フェノバルビタール
長期作用型 30時間以上 クアゼパム ドラール 3.4(15mg) 36.6
ハロキサゾラム ソメリン 1
フルラゼパム  ダルメート 1〜8(30mg) 23.6

  注 1: 全般的に、アルコールとの併用は避けるべきお薬です。一緒に飲むと中枢神経抑制作用が増強されてしまいます。
  注 2:  ドラールは食事との併用が禁忌とされています。併用により吸収が向上し、過度の沈静や呼吸抑制を起こす恐れがあります。

 薬品名の色分け ・・・ ベンゾジアゼピン系 バルビツール酸系 フェノチアジン系 その他
       

Tmaxとは、服薬後にそのお薬の血中濃度が最高になるまでの時間です。
例えばマイスリーなら、服薬後1時間もしないうちに血中濃度のピーク(つまり効き目のピーク)に達するということです。
そのピークを過ぎると、血中濃度は低くなっていきます。ちなみにカッコ内のmg数は、そのTmaxを測定した際の投与力価です。

T1/2とはいわゆる半減期血中濃度が最高値の1/2に落ちるまでの時間です。通例これが長ければ薬の作用時間は長いと判断できます。が、薬の作用時間はT1/2だけでは推し量れない場合もあります。例えば上の表でリスミーのT1/210.5時間、サイレースは7時間となっていますが、サイレースの方が逆に長い効き目(中期作用型)の区分となっています。添付文書等で血中濃度曲線を見るとわかるのですが、サイレースは半減期以降非常に緩やかに血中濃度を下げていくので、作用時間としてはリスミーよりも長くなるのです。

作用時間による分類やTmaxの値から、一口に睡眠薬といっても働き方が様々であることがわかることと思います。

先に述べた不眠のタイプによって、どの分類の薬を選択するかが決まってきます。(例えば眠りに入りにくいという「入眠障害」の患者様には()短期作用型・・・というように。)

上の表からわかるように、「ベンゾジアゼピン系」の薬剤が主流であり、第一選択薬となります。

「ベンゾジアゼピン系」薬剤とは脳の中枢神経のGABA(γ-アミノ酪酸)受容体の作用を亢進し、中枢神経の信号の流れを抑制する事によって、不安や興奮などを抑制し眠気を誘うお薬です。化学構造としては、ベンゼン環と、窒素を含む7員環を持つのが特徴です。なお、上の表中の「マイスリー」「アモバン」はこのベンゾジアゼピン系の化学構造とはやや異なりますが、薬理作用はベンゾジアゼピン系と同様です。

「ベンゾジアゼピン系」が開発された1960年代以前は「バルビツール酸系」しかなかったのでこちらが用いられていました。こちらは中枢に直接的に作用するため強力な催眠作用を持っているものの、耐性が生じやすいことや呼吸抑制など副作用が多い等、問題点も多く、現在、催眠目的ではほとんど使用されません。筆者の勤務する薬局で使われているのは、合剤であるベゲタミンに含まれている(フェノバルビタール)ぐらいです。

大学の薬品化学の講義で、先生がこんな話をしていたのを覚えています。

「ある時、不眠の患者がベンゾジアゼピン系の薬をもらい、1錠飲めばいいところを、間違えて50錠飲んでしまった。それにも関わらず、次の朝、その患者はスッキリ目が覚めた! ちなみにバルビツール酸系の薬で同様のことがあった時には、患者は昏睡状態に陥り大変なことになった。」
・・・だからベンゾジアゼピン系の薬は安全性に優れているのですよ、ってことを教えたかったのだと思うのですが、それよりも私は
「ご、50錠!? どう間違えたら1錠を50錠と間違えんねんオイ! ナントカ系云々よりそっちの方が気になるよ〜!」とツッコミを入れたく思ったものです(まぁ完全に余談ですな、これ)

 

睡眠薬を飲むと、ノンレム睡眠の時間が長くなり夢をあまり見なくなるようです。しかし急に睡眠薬の服用を中止すると悪夢を見ることがあります。深い眠りに入れないためレム睡眠の時間が長くなるためです。また、睡眠薬は連用により耐性を生じたり、急な中止でまた不眠(反跳性不眠)に陥ることもあります。服薬については自己判断での増量・減量・中止は控え、主治医の先生によく相談をしましょう。

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さて、次に眠りの助けとなる一般医薬品(OTC)についてもまとめてみました。

商品名 ドリエル 漢方ナイトミン 爽眠 快眠精 アロパノール顆粒 レスティ ツムラの
漢方柴胡加竜骨牡蛎湯
(さいこかりゅうこつぼれいとう)
剤形 錠剤 錠剤 錠剤 錠剤 顆粒 錠剤・顆粒 顆粒・内服液
発売元 エスエス製薬 小林製薬 米田薬品 エスエス製薬 全薬工業 大正製薬 ツムラ
製造元 エスエス製薬 明治薬品 米田薬品 エスエス製薬 全薬工業 大正製薬 新生薬品工業
効能・効果
(パッケージより)
一時的な不眠の次の症状の緩和

寝つきが悪い、眠りが浅い
心身が疲れ弱って眠れない方に 心身が疲れ弱って眠れない方に 心身疲労による不眠に 虚弱な体質神経が高ぶる方の不眠症・神経症 / 小児夜泣き・小児疳症 自律神経の乱れを整え、体を正常な状態にもどし、
自然でぐっすりとした眠りをもたらす。
精神不安があって、どうき、不眠などを伴う
「高血圧の随伴症状(どうき、不安、不眠)」「神経症」「更年期神経症」「小児夜泣き」
商品特徴 脳内で覚醒の維持に関与しているヒスタミンの働きを抑制し睡眠作用を発揮。

仕事や家庭のストレスなどで心身が疲れている方に適した漢方処方「酸棗仁湯(サンソウニントウ)」
生薬の働きでつらい不眠をじっくり治していく漢方薬。
5種類の生薬成分が穏やかに作用し、心と体のバランスを整え、不眠をじっくり治していく。

こんな症状の方に・・・

「悩みごとなどで神経がつかれ、よく眠れない」 「夜中に目が覚めて、再び寝入ることができなくなる」
「夢みがちで、寝汗があったりして眠りが浅い」 「夜中に目がさえるため、昼間にウトウトしがち」

酸棗仁湯(サンソウニントウ)は
虚症に効く。青白い顔の方、細めの方、体力のない方に向きます。
肝の熱を抑えリラックスを導く漢方処方「抑肝散(ヨクカンサン)」
7種類の生薬が穏やかに作用し
神経のたかぶりを鎮め、
不安、緊張・イライラ・不眠・頭重といった神経症や不眠症の諸症状を改善。
小児の神経のたかぶりや緊張などからくる夜なき、疳症にも効果あり。

サラッとして
小児にも飲みやすい顆粒剤。
不眠症や神経症に繁用されている「抑肝散」に芍薬と黄連をプラス
さまざまな睡眠トラブルに優れた効果を発揮。神経の高ぶり、精神不安定にも効く。

抑肝散加芍薬黄連
実証に効く。がっちりした方、赤ら顔の方、体力のある方に向く。
ストレスなどでイライして
不眠、不安のある方に。

ニーズに応じて使用しやすい内服液と顆粒剤をラインアップ。
成分
(成人1日量中)
塩酸ジフェンヒドラミン
(抗ヒスタミン剤)
酸棗仁湯(サンソウニントウ)エキス 1500mg

原生薬換算量

サンソウニン 7500mg
チモ
2250mg
センキュウ 2250mg
ブクリョウ 3750mg
カンゾウ
750mg
サンソウニン
(酸棗仁)   10,000mg
チモ(知母) 3,000mg
センキュウ  3,000mg
ブクリョウ
(茯苓)    5,000mg
カンゾウ
(甘草)    1,000mg
酸棗仁湯乾燥エキスーF 2050mg

サンソウニン
(酸棗仁)
7.5g
チモ(知母)   1.5g
センキュウ    1.5g
ブクリョウ
(茯苓)      2.5g
カンゾウ
(甘草)
0.5g
下記植物生薬抽出エキス 650mg

チョウトウコウ 500mg
サイコ 333mg
カンゾウ 250mg
トウキ 500mg
センキュウ 500mg
ブクリョウ 667mg
ビャクジュツ 667mg
抑肝散加芍薬黄連水製乾燥エキス
(下記生薬の抽出乾燥
エキス) 900.0mg

ブクリョウ(茯苓) 1144.4mg
カンゾウ(甘草) 105.6
サイコ(柴胡) 352.2mg
センキュウ 475.4mg
ソウジュツ(蒼朮) 933.0mg
チョウトウコウ(釣藤鈎) 264.0mg
トウキ(当帰) 968.4mg
シャクヤク(芍薬)704.2mg
オウレン(黄連) 52.8mg
下記の割合の生薬乾燥
エキス2.25g

日局サイコ 2.5g
日局ハンゲ 2g
日局ケイヒ 1.5g
日局ブクリョウ 1.5g
日局オウゴン 1.25g
日局タイソウ 1.25g
日局ニンジン 1.25g
日局ボレイ 1.25g
日局リュウコツ 1.25g
日局ショウキョウ 0.5g        
※上記は「顆粒」の成分
※「内服液」はこの2倍を配合(満量処方)しており効果が高い。
服用可能年齢 15歳以上 15歳以上 4歳から 7歳から 2歳未満から
(3ヶ月未満はダメ)
錠 5歳から
顆粒 1歳から
2歳未満から(顆粒)
用法 1日1回 寝る前 1日3回 食間 1日2〜3回
食間
1日3回
食前又は食間
1日3回 食間 1日3回 食間 1日2回食前または食間
(顆粒)

 

 一番有名なのはエスエス製薬の「ドリエル」でしょう。筆者の勤務するドラッグストアでも、眠りやすくする薬としてはこれがダントツの売れ行きです。「ドリエル」は、塩酸ジフェンヒドラミンの抗ヒスタミン作用により、脳内で覚醒の維持に関与しているヒスタミンの働きを抑制して、睡眠作用を発揮します。塩酸ジフェンヒドラミンはヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン剤)の中でも、特に催眠鎮静作用の強いことで知られています。ちなみに、この塩酸ジフェンヒドラミンという成分は従来、湿疹・じん麻疹や鼻炎の薬に配合されていた成分です。事実、ドリエルの説明書には次のような記載があります。「ドリエルの効きめ成分(塩酸ジフェンヒドラミン)は、皮ふのかゆみをしずめたり、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状をおさえる目的で広く使われていますが、服用により眠気をもよおすという作用があります。ドリエルはこの塩酸ジフェンヒドラミンの持つ眠気の作用を応用してつくられた医薬品です。」
 同じ成分を含むお薬として、例えば「レスタミンコーワ糖衣錠」という商品があり、これの効能・効果は「じん麻疹、湿疹、かぶれ、かゆみ、鼻炎」です。価格はここに明示はしませんが、実は同量の「塩酸ジフェンヒドラミン」に対する値段はこの「レスタミンコーワ糖衣錠」の方が「ドリエル」と比較してかなり安価になります。「ドリエル」は1箱に入っている錠数が少ないのに、高額です。まぁ、同じ成分とは言え、「睡眠改善剤」として新たに開発(製剤化・臨床試験・商品化)をし、厚生労働省に申請し許可を取り、また宣伝広告費もかなり使っているわけですからそれらにかかった時間と経費の結果として、どうしても値段が上がってしまうのでしょう。(開発を始めてから世に出るまでに13年を要したとのことです!)また、1箱の錠数が少ないのも、連用を防ぐという観点から考えると妥当であるように思います。これは一時的な不眠に対するお薬ですから、もし不眠が長期にわたるようなら医療機関を受診するべきでしょう。

 上の表で、「ドリエル」以外は漢方薬になります。使い分けの仕方をなるべくわかりやすく記載してみました。黄文字が特にキーワードになるかと思います。薬は成分はもちろんのこと、お値段や剤形、服用可能年齢も売りわけの大事なポイントです。まずお客様のお話をよく聞き、適切なものをお勧めしましょう。ちなみに、これらの漢方薬全体について言えることは、概して、「飲んだらすぐ眠くなるというものではなく、少なくとも23日以上続けて飲むことにより、だんだん効果を発揮してくる」ものだということです。「飲んだその日から眠りやすくなった」という方も実際はいらっゃるようですが、一般的には「続けて飲んで、じっくり効かせていきましょう。」と持っていくのがよいと思います。「それでは困る。今日どうしてもすぐ眠りたいのだ。」という方には「ドリエル」の方が無難でしょう。

 また少し脱線しますが、漢方薬の飲み方は食前または食間が基本だということをご存知でしょうか。ちなみに食前とは食事の約30分前食間とは食後23時間経った後、つまり食事と食事の間の時間です。食事の途中、ではありませんのでお間違いなく(食事の途中は「食中」と言います)。要するに、漢方薬は空腹の時に飲むのが基本というわけです。
 これには理由があります。漢方薬の成分の多くは、腸内細菌によって、吸収されやすい効く形に変えられ、効果を現します。 そのため空腹時に飲む方が、速やかに腸内細菌のいる場所に到達し都合がよいわけです。 また、食べ物などの影響(相互作用)を防ぐためにも、空腹時に飲む方がよいのです。


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 最後に、店頭にある"いわゆる健康食品"の中にも快眠をサポートする商品がいくつかありますので御紹介します。

商品名 グッスミン グリシン グリシン&トリプトファン グッスリープ 快眠サプリ
剤形 顆粒 カプセル 顆粒
メーカー ライオン オリヒロ クロス 井藤漢方 マルマン
有効成分 トマト酢 グリシン グリシン L-グリシン ミルクペプチド
GABA L-トリプトファン ザイラリア
リコピン カモミールエキス末 L-トリプトファン
カルニチン バレリアンエキス末 ステアリン酸カルシウム
V.B2 リンデンエキス末
V.B6

〜主な成分の解説です〜

  トマト酢 ・・・ トマトを発酵させて作る。血管拡張作用あり。深い眠り、ストレス緩和をサポート。

  GABA(ガンマ-アミノ酪酸) ・・・ 抑制系の神経伝達物質。リラックス効果。

  トリプトファン ・・・ 必須アミノ酸。誘眠系の神経伝達物質であるセロトニン、睡眠を促進するホルモンであるメラトニンの原料となる。

  グリシン ・・・ 非必須アミノ酸。睡眠の質を改善する。

   ※ グリシン睡眠の質を改善する効果については味の素(株)さんがレポートを出しています。

     リンクをさせて頂きました →  <第1報 2004.9> (outer link)    <第2報 2005.6> (outer link)

  カモミール、バレリアン、リンデン ・・・ 気持ちを落ち着ける効果のあるハーブ類。

  ビタミンB群 ・・・ 神経を落ち着かせる。トリプトファンからセロトニンができるためには特にB6が必要。

  ミルクペプチド ・・・ 精神安定作用、抗ストレス作用。またアミノ酸による疲労回復により快眠サポート。

  ザイラリア ・・・ 貴重なキノコ。キノコ特有の多糖類の他「アデノシン」を含有。中国では99年に不眠症治療薬として認可された素材。



2006年6月に発売されたライオンの「グッスミン」は宣伝の効果かお客様からのお問い合わせも比較的多かった商品です。筆者も飲んでみました。これを飲んですごく眠くなるといったことではないのですが、気分がやわらぎ、確かにわりと眠りに入りやすい感覚はありました。味は、すっぱいです。(「トマト酢」ですから。。。) 低カロリー(18kcal)だから寝る前に飲んでも安心とのことです。

まあ、これらの商品は医薬品ではありませんので、「睡眠改善」などといった効能を明確には謳えません。それをすると薬事法違反になります。だからどの商品にも明確な効能効果の表示はされていません。しかしながら、各商品、パッケージのイメージや差し障りのない程度の表現を用いて、見た人には快眠をサポートする食品であることがうまく伝わるような工夫がされています。店頭で商品の説明をする場合もその辺が微妙で、これらが医薬品であるかのごとく説明してはいけないのです。商品そのものだけにとどまらず、店頭での紹介の仕方、POP(商品の説明)の書き方についても、行き過ぎた表現があれば指導の対象とみなされてしまいます。ご案内するとしたら「気分が落ち着いて眠りに入りやすくなりますよ。」「眠りの質がよくなり朝の目覚めも快適になるようですよ。」ぐらいでしょうか・・・うーん、キワドイですね〜。健康食品を販売する時、店頭では、こういった事情でそれなりの苦労をするわけです。

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さて、以上色々と見てきましたが、やはり、よい睡眠は心身の健康の要です。(場合によっては薬、健康食品など利用しながら)上手に睡眠をとって毎日の英気を養い、日々健康に、元気に過ごしましょう o(^ ^)o




 
junkuribayashi@hotmail.com

                                        


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