日本料理 おか山
店主 岡山 博文
今回は豆腐を使用した料理を作ってみました。 豆腐と言いますと日本人にとっては大変なじみが深く、一年中どこへ行っても手に入る身近な食品です。日本独自のものと思われがちですが、元々豆腐は(湯葉もそうですが)奈良時代に禅僧によって中国から伝えられたと言われています。 ただお寺の厨房で作られていたせいか一般に広まったのは室町時代になってからのようです。 最近は豆腐と一言でいっても、黒豆を使った黒い色の豆腐、緑豆を使った緑色の豆腐、豆腐が出来上がってから水に晒さないでそのまま容器に入れた寄せ豆腐や高野豆腐、六浄豆腐と言った長期保存の出来る物などが有ります。 又、豆腐を作る工程の中で豆乳を固める凝固剤にしても、昔からのニガリや現在多く使われている科学的な物まで様々な長い年月の中で色々と工夫されて来ています。 豆腐を使った料理も江戸時代には豆腐百珍という料理書も有ったほどで、私ども料理人にとっては料理範囲が広くバリエーションのきく大変重宝な食材です。一般家庭でも味噌汁の具、冷やっこ、湯豆腐、揚げ出し豆腐、マーボ豆腐、豆腐田楽等広く使われていると思います。そこで今日はちょっと目先の変わったそんなに難しくない二品を作ってみました。是非一度挑戦してみて下さい。話は豆腐からそれますが、最近食材や料理に季節感が無くなったという話をよく耳にします。 本来春の竹の子が真冬の12月に、秋の柿が3月に、夏の西瓜が1月に、又よく食卓に上る茄子、胡瓜トマトなどの野菜、鯛や平目、ハマチ等の魚にしてもスーパーに行けば何時でも簡単に手に入ります。野菜の栽培技術、魚の養殖方法等の進歩の賜り物だと思います。しかし、便利になった反面失いかけている物も多いのではないかと感じます。
私事になりますが、先輩料理人から教えられた季節感を大事にした料理、その季節の食材を使った料理、そう言う料理を作って行きたいと思い
ます。
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