

西夕日 東も紅く 空染めて
おはようは 金木犀の 垣根越し
草を食む ポニー秋には 目もくれず
身の動き 軽しと思う 今朝の秋
愛情の まなこ集めて 子ら踊る
十五夜の 無月の空を 恨めしく
逝きし兄 今年も来たよ 鳥羽の海
生きるとは 耐えていくこと 米をとぐ
ゆく夏や つくつくぼうし 声限り
あっといふ間にもくもくと 夏の雲
もぎたての トゲの痛さや 初きゅうり
枯れ芝に 砂まく夫 着ぶくれて
雲遠く やわらな朝や 秋めけり

アサリ汁 そこまで来ている 春の味
けんか相手 ありて幸せ 冬炬燵
初雪や 窓に映れば 牡丹雪
柿落ち葉 ガサゴソ踏みて 朝刊来る
山茶花の 早咲きの白 眩しけれ
まご着物 ママも着物の七五三
古玄関 カポック天井まで届き
旧道の 荒れにし土手の 曼珠沙華
彼岸花 釣り人の背に 赤々と
早秋の 装い替えて 商店街
散りし花 咲き誇る花 梅雨の入り
新緑の 古き寺院の 砂利踏みつ
学童の 声こだまして 春惜しむ
やわらかに 矢作の岸部 綿の色
如月や やや崩れたり 鯉の群れ
ふつふつと 小豆のにおい 寒の入り
山茶花を ひと枝部屋に 挿してみる
元旦や 千両の朱の 極まりて
霊園に 暑さ残して トンボ飛ぶ
植えもせぬ どくだみの花 咲き誇る
新緑の したたり落ちる 朝の雨
展望台 若葉の道を いく曲
鯉のぼり 大きな風呑み 家族連れ
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