ほ の ぼ の 俳 句

2009

西夕日 東も紅く 空染めて

おはようは 金木犀の 垣根越し

草を食む ポニー秋には 目もくれず

身の動き 軽しと思う 今朝の秋

愛情の まなこ集めて 子ら踊る

十五夜の 無月の空を 恨めしく

逝きし兄 今年も来たよ 鳥羽の海

生きるとは 耐えていくこと 米をとぐ

ゆく夏や つくつくぼうし 声限り

あっといふ間にもくもくと 夏の雲

もぎたての トゲの痛さや 初きゅうり

枯れ芝に 砂まく夫 着ぶくれて

雲遠く やわらな朝や 秋めけり


2008

アサリ汁 そこまで来ている 春の味

けんか相手 ありて幸せ 冬炬燵

初雪や 窓に映れば 牡丹雪

柿落ち葉 ガサゴソ踏みて 朝刊来る

山茶花の 早咲きの白 眩しけれ

まご着物 ママも着物の七五三

古玄関 カポック天井まで届き 

旧道の 荒れにし土手の 曼珠沙華

彼岸花 釣り人の背に 赤々と

早秋の 装い替えて 商店街

散りし花 咲き誇る花 梅雨の入り

新緑の 古き寺院の 砂利踏みつ

学童の 声こだまして 春惜しむ

やわらかに 矢作の岸部 綿の色

如月や やや崩れたり 鯉の群れ

ふつふつと 小豆のにおい 寒の入り

山茶花を ひと枝部屋に 挿してみる

元旦や 千両の朱の 極まりて

霊園に 暑さ残して トンボ飛ぶ

植えもせぬ どくだみの花 咲き誇る

新緑の したたり落ちる 朝の雨

展望台 若葉の道を いく曲

鯉のぼり 大きな風呑み 家族連れ



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